個人宅向けの宅配サービス
新型コロナ感染症が広がる中、自宅に居ながら買い物ができるEC(電子商取引)のニーズが高まり、それに伴い個人宅向けに商品を運ぶ宅配便の需要が増加し、業績を伸ばしました。
2020年4―10月の宅配便取り扱い個数はヤマトHDが前年同期比14・1%増、SGHDが同5・0%増。緊急事態宣言下で生産活動が停滞したことにより企業間物流が低調に推移した一方、巣ごもり消費の拡大による個人宅向けサービスが伸びました。
各社は、急激なニーズの増加に対応できるよう、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組み、態勢を整えています。
IT・情報サービス
コロナ禍により、テレワークに対応した環境を整備するニーズの高まりにより、IT・情報サービスが業績を伸ばしました。
また、より効率のよい働き方を求める声が高まり、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいることも、IT・情報サービス業界が業績を伸ばす要因となっています。
2020年4―9月期ではニューノーマル需要として富士通は売上高529億円の積み上げ、NECは「営業利益で160億円を獲得した」(新野隆社長)とのことです。
自転車
自転車が、感染リスクの低い交通手段として注目され、手軽なレクリエーションやエクササイズにもなると、売上を伸ばしました。
自転車部品が主力のシマノは20年12月期業績の営業利益予想を7月公表値比135億円増の770億円(前期比13・2%増)に上方修正しています。
調味料・即席麺
新型コロナ感染拡大による巣ごもり需要で、即席麺や調味料などのメーカーの業績が好調です。
即席麺では日清食品HDの2020年4―9月期売上高が前年同期比8・9%増の2411億円、当期利益で同63・1%増の219億円と、いずれも4―9月期として過去最高となりました。東洋水産も即席袋めんや生麺焼きそばなどが好調で、売上高で同2・6%増の2035億円、当期利益で同53・6%増の147億円と、売上高と全ての利益段階で過去最高となりました。
調味料やパスタソースなども好調で、カゴメの1―9月期の事業利益は同31・5%増の118億円と大幅増益。カゴメはトマトケチャップが同10%増、パスタソースが同20%増と売り上げを伸ばしました。
一方、同じ調味料などを手がけていても、業務用の比率が高い企業の決算は苦戦しており、家庭用の需要が大幅に増えたことがうかがえます。
テレビ・白物家電
在宅時間が増え、巣ごもり需要が高まった結果、テレビや白物家電の売り上げが好調です。
ソニーの家電関連部門では買い替え需要も生じたテレビが好調で、2020年7―9月期の営業利益は前年同期比30・5%増と伸長しました。
パナソニックは冷蔵庫や洗濯機などが好調。家電事業部門の営業利益は2020年4―6月期こそ前年同期比で減益でしたが、7―9月期は増益に転じました。
シャープも冷蔵庫や洗濯機などの白物家電に加えて、空気清浄機などが好調に推移し、家電や電子デバイスなどスマートライフ部門の2020年7―9月期営業利益は同30・3%増と大幅に伸びています。
ゲーム・動画配信サービス
その他、任天堂の「あつまれ どうぶつの森」のヒットに代表されるように、ゲーム関連やネットフリックスなどの動画配信サービスも、巣ごもり需要の高まりを受けて好調です。
今後は意外なニーズも
いかがだったでしょうか。
いずれも、コロナが発生する前には、予想もしなかった需要の高まりだと思います。
今後、新しい生活様式(ニューノーマル)が長期化し定着していく中で、新しい意外なニーズが生まれてくる可能性もあります。
昨年の12月には、みりんやかまぼこの売り上げが例年より好調だったということですが、これは正月を家で過ごす人が増え、おせち料理を自宅で作る需要が高まったことが要因でした。
一日も早く収束してほしいコロナ禍ですが、残念ながらまだしばらくは「ウィズ コロナ」の状況が続きそうです。
そんな中でも、社会のニーズを注意深くとらえ、ニーズに応えるサービスを適切に提供できれば、ストレスの溜まりがちな「ウィズ コロナ」の生活を、少しでも過ごしやすくすることができるかもしれません。
弊社も皆様の取り組みを社会に届けることで、「ウィズ コロナ」の生活を少しでも明るくする一助になりたいと思います。
株式会社アネティを今後ともよろしくお願いいたします。