「推し、燃ゆ」読んでK-POPのマーケティング戦略を考える・・
2021年6月30日
『推し、燃ゆ』読みました!
第164回芥川賞を受賞した宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』を読みました。宇佐見さんは、1999年生まれの21歳。現在大学生で、史上3番目に若い受賞者だそうです。今年5月の時点で50万部突破とのことですので、今頃は更に部数を伸ばしているのでしょう。小説を読むのは久々でしたが、描写力が圧倒的で、相当な読書量がなければあれだけの語彙力はつかないだろうと推測しました。
なぜ私がこの小説を読もうと思ったかというと、私にも「推し」ができたから。コロナ禍で、普段は絶対観ない中国ドラマにハマり、そこから巡り巡って今やK-POPの沼に落ちかけています。この小説は、精神疾患を抱える女子高生が主人公で、まさにこの女の子にとって「推し」は生きる意味のようなもの。そういった背景から、なおさら推しの沼の深さが伝わってくる作品でした。この小説を読んでいる多くの人が、きっと推し活中の人だろうと思います。そういった人たちの共感を呼んで、どんどん部数を増やしているのでしょうね。
さて、ここで私がハマりかけているK-POPの世界ですが、これがまたビジネスモデルとして本当に面白いのです。今日、このブログを書いている時点で、BTS(防弾少年団)のデジタルシングル「Butter」が、米ビルボードHOT 100の1位に5週連続で輝く快挙を達成したというニュースが流れていますが、韓国のアイドルグループがここまでの人気を獲得するなんて、数年前まで考えもしないことでした。
韓国人の人たちは一重瞼や奥二重の人が多くて、くっきり二重の整形をする人が多数いますが、逆に韓国人のような顔になりたいと瞼をはれぼったく整形する欧米人もいるとか。また、このBTSが所属する芸能事務所のHYBEが、ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデを抱えるアメリカのイサカ・ホールディングスを買収したというニュースには本当にびっくりしました。このBTS人気のおかげで、日本の経済ニュースでもたびたびK-POPについて取り上げられるようになりましたので、それほど興味がなかった人もそのすごさを実感しているところではないでしょうか。
今日は、そんなK-POPアーティストたちのファン獲得戦略について触れている記事がとても面白かったので、一部をご紹介したいと思います。
K-POPアーティストのファン獲得戦略は?
記事が載っていたメディアは「Kstyle」。K-POP専門メディアのようですね。この記事の元データは、「Twitter」と「K-POP Radar」が共同で分析したもの。「POP Radar」とは、K-POPアーティストに関するソーシャルプラットフォーム上の様々な客観的データを提供するメディアのようです。
今回の分析では、K-POPアーティストを古い順から第1世代・第2世代・第3世代・第4世代に分類し、比較しています。
■Twitterのツイート数
世代が若くなるのに比例して多くなっており、第2世代が1日1.2ツイートなのに対し、第4世代では1日7ツイートに。
■デビューから最初のツイートまでの日数
世代が若くなるに比例して短くなっており、第2世代がデビューから1,154日もかかっていたのに対し、第4世代はたったの116日。
■海外進出の戦略
これは第3世代と第4世代のみの比較になりますが、第4世代は第3世代よりも9カ月早くファーストアルバムを海外でリリースし、13カ月も前に海外でコンサートをしている。
現在世界中で大成功を収めているBTSは、第3世代に属するにもかかわらず、デビューの6カ月前からTwitterアカウントを開設し、国内だけでなく海外のファンともコミュニケーションをとっていたとのこと。こういった戦略が、今の大成功につながっているのかもしれません。
この記事を総括すると、デビュー前からSNSアカウントを開設し、ツイートの頻度高く、更には早い時期から海外進出を目指すのが、成功への道 ということになるでしょうか。
私がにわかK-POPファンになって感じるのは、このコロナ禍、K-POPファンはますます拡大しているということ。リアルなコンサートやファンイベントができない中、アーティストたちはSNSやオンラインライブなどを通じて頻繁にファンと接触しています。オンラインであれば、コンサート会場に行くのを躊躇する層でも気軽に視聴できますし、簡単にアーティストたちに近づくことができます。韓国の2つの大手タレント事務所が提携し、テレビ局を介さず独自にコンテンツを配信できるスタジオを開設したといったニュースも聞かれ、今後K-POPエンタテイメントのビジネスモデルが更に進化していきそうです。
ワクチン接種率が上がればコロナによる行動制限はだいぶ減るとは思いますが、コロナ禍で浸透したオンラインによるコミュニケーション手法は、今後もどんどん発展していくでしょうし、そこにK-POPの世界で活用されている手法や戦略をヒントにすることもできそうだと感じています。
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