Anety

教育・人材・医療・福祉の分野を得意とするPR会社です。

HOME > スタッフブログ

スタッフブログ

「新語・流行語」からみる社会の変化 ― 働き方はどう変わってきたか?

2018年12月4日

こんにちは。アネティPRパートナーの森口です。年の瀬を迎え、今年を振り返るニュースが出てきました。先日も「ユーキャン新語・流行語大賞」が発表されました。トップアスリートたちの真剣なまなざしの間に差し挟まれる「そだねー」、もぐもぐタイムとともに強く印象に残っている方も多いことでしょう。

その年の出来事や流行を表すことばは、時間の経過とともに使われなくなることもありますが、社会の変化の兆しをとらえた新しい言葉は、その後長く使われていきます。逆に言うと、それらを遡って見ていくと、社会の変化がいつ頃起こったのかが見えてきます。「働き方改革」(2017年にノミネート)が叫ばれる昨今、試みにノミネートされたことばから「働くこと」に関するものを見てみましょう。

バブル景気の頃

この「新語・流行語大賞」が始まったのが1984年。当時わたしは大学生でしたが、女子大生ブームやDC(designer’s & character’s)ブランドが流行った頃で、いかに割のいいバイトをしてJJやCan Camに出ているスカートやバッグ、靴を入手するかに苦心していました。景気の良い時代でした。

バリバリ働いて、バリバリ遊ぶのがかっこよく見えていたあの頃。栄養剤のテレビコマーシャルが強烈で、「5時から男」(1988、グロンサン)、「24時間タタカエマスカ」(1989、リゲイン)はよく覚えています。

男女雇用機会均等法の施行が1986年からで、企業などの公的な場における男女の意識の違いが顕在化した時期でもあったと思います。今では普通に使われている「セクハラ」も、1989年に金賞を受賞しています。

景気が良かったときは、それが泡のようにはかないものとは思っていませんでしたから、「バブル」ということばが頻繁に使われるようになったのは崩壊間近の1990年です。

5時から男(1988) アラフィフ以上の人にとって、このコマーシャルは懐かしいのでは。

「24時間タタカエマスカ」(1989、リゲイン) 24時間エネルギッシュに活動するジャパニーズビジネスマンのコマーシャル、今ならブラックと言われますね。

セクシャル・ハラスメント(1989)

バブル経済(1990)

【バブル崩壊後】

ささやかな消費という意味ではわたしもバブル景気の恩恵にあずかりましたが、自分で株や土地を持っていたわけではありませんから、バブル崩壊の痛手も少なく当時のことはあまり記憶にありません。とはいえ、会社で日経新聞を読んでいたおじさんが「株価がこんなに下がってしまった」と嘆いていたり、証券会社による「損失補填」や、銀行の不良債権が連日ニュースをにぎわせていたことはおぼろげながら覚えています。このあと、1997年の山一證券廃業、都市銀行の相次ぐ合併と続いていきます。

損失補填(1991)

就職氷河期(1994)

日本列島総不況(1998)

【すすむ格差社会】

バブル崩壊後のいわゆる失われた10年では企業の合理化が進み、外資企業による買収も盛んにおこなわれました。この流れの中で、わたし自身は2000年から外資企業で働くことになり、間接的には2001年に登場した小泉内閣の規制緩和や改革の恩恵を受けました。一方で、一億総中流と言われていた日本で市場原理が重視されるようになり、「格差」が進んだと言われています。「格差社会」が登場したのは2006年、その後「格差」ということばは社会に定着していきます。この年、「下流社会」や「勝ち組」「負け組」も登場しています。

2008年のリーマンショックを経て、従業員に対する生産性の要求はますます高まり、これが「ブラック」と呼ばれるようになるのは2012~13年ですが、その前にも残業代がつかない「名ばかり管理職」や、プロレタリア文学の小林多喜二「蟹工船」がブームになっていたのには驚きました。

格差社会(2006)

名ばかり管理職(2008)

蟹工船(2008)

派遣切り(2009)

ブラック企業(2013)

【政策のキャッチフレーズ化】

ここ数年のノミネートを見ると、安倍政権がすすめる政策のネーミングやキャッチフレーズが目立ちます。2015年に成立した女性活躍推進法に伴う「輝く女性」(2014)や、「一億総活躍社会」(2015年)、そして今年可決された働き方改革関連法の「働き方改革」(2017)。これらのことばは政治のニュースに必ず登場しますから、実態はさておき、認知という意味では成功したのでしょう。ちなみに、輝く女性が増えた一方、「マタハラ」(2014)も顕在化しています。

働き方改革の一環として、「プレミアムフライデー」(2017)も登場しました。1980年代の花金(花の金曜日)を知るわたしには隔世の感がありますが、「月末最後の金曜日には早く帰って(お金を使って)楽しもう」という経産省主導のキャンペーン、なかなか現実が追いつかないようです。ちなみに広がらないプレ金の代わりに「シャイニングマンデー(月曜日の午前中に半休を取ろう)」も検討されたらしいですが、こちらも不評のようで正式発表はありませんね。

マタハラ(2014)

一億総活躍社会(2015)

プレミアムフライデー(2017)  オフィシャルサイトまであります。

1960年代、70年代にまで遡ると、政策の名前が社会に定着した例としては、所得倍増計画(1960年)や日本列島改造論(1972年)があります。政策に対する評価はさておき、時代を象徴しています。

さて、「働き方改革」の元々の趣旨は、労働人口減少の解決や、生産性の向上など、政府や企業の視点が中心に据えられていたように思います。一方、私たちが日々の生活の中で使っている「働き方改革」は、多少のアイロニーを含みつつ、自分が働きやすくなる方法を指して使っているのではないでしょうか。

ことばは発信された途端、発信者の思惑をはるかに超えて受け手に使われ始めます。数年後、このことばがどのような意味合いで定着しているか。働くことにおける個人の選択が今よりも増えている時代になっているか。振り返った時、「働き方改革」の頃が転換点だったね、と言えたらいいなと思います。

[モリグチ]

お電話・メールフォームでのお問い合わせはこちら

  • 03-6421-7397 平日10:00~18:00(土日祭日を除く)
  • お問い合わせ

PAGE TOP